令和３年度 岩手県立久慈 病院指標

▶最も多い症例は「小腸大腸の良性疾患（良性腫瘍を含む。）」で、大腸ポリープが最も多く、2件を除き予定入院です。
▶２番目は「胆管（肝内外）結石、胆管炎」で、総胆管結石が最も多く、約80％が救急入院です。
▶３番目は「誤嚥性肺炎」で、２型糖尿病等の消化器系併存症がある患者さんが多い傾向で、全件救急入院です。
▶４番目は「胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術」で、全件予定入院です。
▶５番目は「２型糖尿病（糖尿病性ケトアシドーシスを除く。）」で、合併症を伴う患者が約60％、伴わない患者が約40％で、全体の約60％が予定入院の症例です。

▶最も多い症例は「心不全」で、うっ血性心不全が最も多く、約80％が救急入院です。
▶２番目は「狭心症、慢性虚血性心疾患」で、無症候群性心筋虚血、不安定狭心症、労作性狭心症によるのものが多く、経皮的冠動脈ステント留置術や経皮的冠動脈形成術を行うもので、約80％が予定入院です。
▶３番目は「狭心症、慢性虚血性心疾患」で、２番目に多い症例と同様に無症候群性心筋虚血、不安定狭心症、労作性狭心症によるものが多く、カテーテル検査を行うもので、約90％が予定入院です。
▶４番目は「誤嚥性肺炎」で、全症例が救急入院です。
▶５番目は「徐脈性不整脈」で、完全房室ブロック、洞不全症候群によるものが多い症例です。約70％が予定入院であり、ペースメーカー移植術を65％、交換術を35％の割合で実施している症例です。

▶１番目の１つ目は「急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症（その他）」で、ＲＳウイルスによる気管支炎が多く、全件2歳児以下かつ救急入院の症例です。
▶１番目の２つ目は「喘息」で、年齢別でみると、６歳以下が約75％を占めており、全件救急入院の症例です。
▶２番目は「ウイルス性腸炎」でロタウイルス性胃腸炎が最も多く、全症例が救急入院です。
▶３番目は「妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害（出生時体重2500g以上）」で、新生児黄疸によるものが多く、当院で出生後に直接入院する症例が多いです。
▶４番目は「上気道炎」で、全件０歳の乳幼児かつ救急入院の症例です。
※公表に係る集計条項等に基づき、患者数が10未満の症例は、平均在院日数（全国）以外を「-」表示しています。

▶最も多い症例は「結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍」で、Ｓ状結腸癌によるものが最も多く、次いで上行結腸癌、盲腸癌、横行結腸癌、下行結腸癌となっています。腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術を施行しており、2件を除き予定入院です。
▶２番目は「鼠径ヘルニア（15歳以上）」で、鼡径ヘルニア手術、腹腔鏡下鼠径ヘルニア術を施行したもので、約95％が予定入院です。
▶３番目は「肺の悪性腫瘍」で、肺門部癌によるものが最も多く、他部位（上葉肺、中葉肺など）は同程度の件数となっています。約70％が救急入院の症例です。
▶４番目は「静脈・リンパ管疾患」で、下肢静脈瘤血管内焼灼術を施行する全件予定入院の症例です。性差は女性が約65％、男性が約35％となっています。
▶５番目は「食道の悪性腫瘍」で、全件が予定入院、また約半数が頚部食道癌の症例です。

▶最も多い症例は「股関節・大腿近位の骨折」で、骨折観血的手術や人工骨頭挿入術を施行しており、約90％が救急入院です。平均在院日数（自院）が平均在院日数（全国）と比較して長いのは、併設する地域包括ケア病棟で急性期治療後、リハビリ治療を行っているためです。（地域包括ケア在院を除く平均在院日数は、34.66日）
▶２番目は「前腕の骨折」で、骨折観血的手術や骨内異物除去術を施行しており、95％が予定入院の症例です。性差は女性が約90％、男性が約10％となっています。
▶３番目は「胸椎、腰椎以下骨折損傷（胸・腰髄損傷を含む。）」で、腰椎骨折が75％、胸椎骨折が25％を占めています。全体の約80％が予定入院です。
▶４番目は「四肢筋腱損傷」で、肩腱板断裂によるものが多く、全件予定入院の症例です。平均在院日数（自院）が平均在院日数（全国）と比較して長いのは、併設する地域包括ケア病棟で急性期治療後、リハビリ治療を行っているためです。（地域包括ケア在院を除く平均在院日数は、13.9日）
▶５番目は「足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術　鎖骨、膝蓋骨、手（舟状骨を除く。）、足、指（手、足）その他等」で、前腕、下腿、手舟状骨が多く、約85％が予定入院です。

▶形成外科は、全体の約95％の症例が予定入院です。
▶「骨軟部の良性腫瘍（脊椎脊髄を除く。）」は、四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術または皮弁作成術を施行したものです。
▶「線維芽細胞性障害」はデュプイトレン拘縮手術を施行したものです。
▶「母斑、母斑症」は顔面太田母斑によるものです。
▶「頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等」は耳介悪性腫瘍手術を施行したものです。
※公表に係る集計条項等に基づき、患者数が10未満の症例は、平均在院日数（全国）以外を「-」表示しています。

▶最も多い症例は「非外傷性頭蓋内血腫（非外傷性硬膜下血腫以外）（JCS10未満）」で、主に脳内出血による全件救急入院の症例です。
▶２番目は「頭蓋・頭蓋内損傷」で、外傷性慢性硬膜下血腫によるものが多く、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術を施行しており、約85％が救急入院の症例です。
▶３番目は「てんかん」で、脳血管疾患リハを施行しており、約90％が救急入院の症例です。
▶４番目は「非外傷性頭蓋内血腫（非外傷性硬膜下血腫以外）（JCS10以上）」で、主に視床出血による全件救急入院の症例です。
▶５番目は「脳梗塞（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満）」でアテローム血栓性脳梗塞等による全件救急入院の症例です。
※公表に係る集計条項等に基づき、患者数が10未満の症例は、平均在院日数（全国）以外を「-」表示しています。

▶当院産婦人科では、正常分娩のみの対応とさせていただいております。ハイリスク分娩は密接な連携のもとに岩手県立二戸病院に搬送させていただいております。
▶最も多い症例は「早産、切迫早産（妊娠週数34週未満）」で、約95％が救急入院の症例です。
▶２番目は「早産、切迫早産（妊娠週数34週以上）」で、全件救急入院の症例です。
▶３番目は「胎児および胎児付属物の異常」で、前期破水によるものです。全件救急入院の症例です。
▶４番目の１つ目は「分娩の異常」です。胎児機能不全や微弱陣痛によるもので、全件救急入院の症例です。
▶４番目の２つ目は「妊娠早期の出血」です。切迫流産や重症妊娠悪阻によるもので、全件救急入院の症例です。
※公表に係る集計条項等に基づき、患者数が10未満の症例は、平均在院日数（全国）以外を「-」表示しています。

▶最も多い症例は前年度同様「誤嚥性肺炎」で、パーキンソン病やアルツハイマー型認知症などの様々な併存症がある症例が多く、全件救急入院です。
▶２、３及び５番目は「脳梗塞（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満）」で、これらは発症からの日数や重症度、行った処置などで多岐に分類されます。主にアテローム血栓性脳梗塞によるものが多く、次いでラクナ梗塞、心原性等となっており、全症例救急入院です。
▶４番目は「敗血症」で、全件救急入院の症例です。
▶なおDPCコーディング上で最も多いのは先に示した「誤嚥性肺炎」ですが、症例として最も多いのは「脳梗塞」であり、これはMDC6（脳梗塞は010060）以降のコーディングが多岐に渡るためです。
※公表に係る集計条項等に基づき、患者数が10未満の症例は、平均在院日数（全国）以外を「-」表示しています。

▶最も多い症例は前年度同様「前立腺の悪性腫瘍」で、前立腺癌の疑いによる前立腺針生検を目的とした予定入院です。原則1泊2日で検査を実施します。
▶２番目は「膀胱腫瘍」で、膀胱癌に対して膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）を施行した全件予定入院の症例です。
▶３番目は「腎臓または尿路の感染症」で、急性腎盂腎炎による緊急入院が主となっています。
▶４番目は「慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全（動脈形成術、吻合術）」で、慢性腎臓病による透析治療のための内シャント設置術を施行したもので、約90％が予定入院の症例です。
▶５番目は「慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全（手術なし）」で、４番目と同じ慢性腎臓病によるものです。手術実施は無いものの症状の増悪等により約60％が緊急入院となる症例です。

▶最も多い手術は、前年度同様「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満）」で、大腸ポリープに対して内視鏡的に切除するものです。
▶２番目は「内視鏡的胆道ステント留置術」で、胆管腫瘍や結石で胆汁の流れが障害され、黄疸や胆管炎になっている症例に対して、胆管の出口から内視鏡を用いてステントを挿入して胆汁の流れをよくするものです。
▶３番目は「内視鏡的乳頭切開術（乳頭括約筋切開のみのもの」で、十二指腸にある主乳頭という胆管と膵管の出口を内視鏡を用いて切開するものです。総胆管結石などに対して施行したり、内視鏡的胆道ドレナージなどの他の手技の補助として施行されます。
▶４番目は「内視鏡的消化管止血術」で、内視鏡を用いて消化管の出血を止血するものです。
▶５番目は「内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍粘膜下層）」です。内視鏡を用いた治療（EMR、ESD等）を行うもので比較的患者の身体負担が軽く、早期悪性腫瘍の患者に対して施行されるものです。

▶最も多い手術、３番目および５番目の手術は、「経皮的冠動脈ステント留置術」で、経皮的冠動脈形成術による病変拡張後の急性冠閉塞、再狭窄を補うために狭窄部を拡張後、ステントで補強するものです。不安定狭心症、急性心筋梗塞、その他に分けられます。
▶２番目は「四肢の血管拡張術・血栓除去術」で、動脈硬化などによる血管の狭窄や閉塞をバルーンカテーテルで拡張したり、ステントを留置したりすることで元通りの太さの血管にする治療です。また、血栓によって閉塞した場合はその血栓を取り除きます。
▶４番目は「ペースメーカー移植術（経静脈電極）」で、心臓に電気刺激を与えて心拍動を起こさせる装置である人工ペースメーカーの移植やバッテリー消耗、電気回路の故障などの場合に行われる交換術が施行されます。

▶最も多い手術は「腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術」で、S状結腸癌、横行結腸癌、上行結腸癌、下行結腸癌に対して施行される切除術です。腹腔鏡下手術とはお腹の中に腹腔鏡という細長いカメラを入れ、お腹の中の様子をテレビカメラで見ながら細長い鉗子という器具を使って行う手術です。低侵襲で開腹手術と比べて日常生活への復帰が早いというメリットがあります。
▶２番目は「腹腔鏡下胆嚢摘出術」で、胆のう結石症や胆石性胆のう炎疾患に対して施行される胆のうを取り出す手術です。腹腔鏡下手術ですので、１番目の腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術と同様のメリットがあります。
▶３番目は「下肢静脈瘤血管内焼灼術」で、下肢静脈瘤疾患で弁不全の静脈にレーザー照射を行うことで静脈を焼灼し、血管を閉塞させる手術です。低侵襲で日常生活への復帰が早いというメリットがあります。
▶４番目は「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術（両側）」で、鼠径ヘルニア疾患に対して施行された腹腔鏡による切除術です。
▶５番目は「ヘルニア手術」で、鼠径ヘルニア疾患に対して施行された開腹による切除術です。

▶最も多い手術、２、４番目は「骨折観血的手術」で、骨折部を手術的に開き、直接整復と内固定を行う骨折観血的手術で多い順に大腿、前腕、下腿、上腕、足、鎖骨、膝蓋骨、指、鎖骨となっております。
▶３番目は「骨内異物（挿入物を含む）除去術」で、骨折観血的手術で内副子（ねじ、ポレート、髄内釘など）固定を行ったのち、骨癒合が完成してから内副子の抜去を行うものです。
▶５番目は、「人工骨頭挿入術」で、大腿骨頚部骨折に対して行うものです。

▶最も多い手術は「慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術」で、外傷性慢性硬膜下血腫に対して施行するもので穿頭して抽出し、さらに洗浄し、ドレナージを行ったものです。
▶２番目は「脳動脈瘤頸部クリッピング」で、開頭して脳動脈瘤の根元をクリップで挟み、瘤の中に血液が入らないようにして破裂を防ぐ手術です。
▶３番目は「水頭症手術」で、脳室に溜まった過剰な脳脊髄液を管を通して腹腔に導く手術（膵液シャント）を行います。
※公表に係る集計条項等に基づき、患者数が10未満の症例は、平均在院日数（全国）以外を「-」表示しています。

▶最も多い手術は「膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（電解質溶液利用のもの）」で、膀胱癌に対する手術です。尿道から内視鏡を挿入して、膀胱内の腫瘍を切除する手術です。
▶２番目は「末梢動静脈瘻造設術（内シャント造設術）（単純）」で、腎臓機能が低下して、血液透析が必要になった場合や設置しているシャントに閉塞や狭窄が伴った場合に内シャントを設置する手術です。
▶３番目は「連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術」で、CAPD透析（持続携帯式腹膜透析）を実施するためのカテーテルを体内に留置するための手術です。
※公表に係る集計条項等に基づき、患者数が10未満の症例は、平均在院日数（全国）以外を「-」表示しています。