平成27年度 岩手県立久慈病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 200 77 59 127 193 396 699 1098 1040 297
 当院は、救命救急センター病棟、一般急性期病棟、回復期リハビリテーション病棟を有し、自院内で救急から回復期までの医療の完結を目指した自己完結型の地域中核総合病院です。
 救命救急センターでは久慈2次医療圏のみならず、近隣町村からの救急患者さんを断ることなく受け入れています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
消化器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx03xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)内視鏡的消化管止血術等 定義副傷病なし 111 4.21 2.76 0.00 65.46
040081xx99x00x  誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 56 22.77 21.69 17.86 83.88
060340xx03x00x 胆管(胆内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 49 9.92 10.93 0.00 75.00
 消化器科で最も多いDPCは、主に大腸ポリープです。ポリープとは、「いぼ」のように粘膜などの表面から隆起した突起物で内視鏡で切除を行います。
結腸ポリープ(DPC対象外)に対する治療も同様に行っており、平成27年度は101症例の実績があります。平均在院日数が全国と比べ長くなっているのは、医療圏が広範囲のため経過観察を入院で行うためです。
 次に多いDPCは、「誤嚥」と言われる食べ物や飲み物、胃液などが誤って気管や気管支内に入ることにより、細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎で高齢者に多い傾向にあります。
 3番目に多いDPCは、総胆管結石が21症例と最も多く、次いで胆管炎、閉塞性黄疸が11症例となっています。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 105 3.56 3.07 0.95 69.16
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 79 20.73 18.30 3.80 84.39
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 71 6.52 4.87 2.82 72.01
 循環器科で最も多いDPCは、心臓カテーテル検査を行う検査入院です。
 次に多いDPCは、さまざまな原因により心臓のポンプ機能が低下し、心臓が全身に血液を十分に送り出すことができまくなり、肺にうっ血が生じるうっ血性心不全によるものです。
 3番目に多いDPCは、薬物治療では十分な症状の改善が得られない狭心症や不安定狭心症など場合にカテーテルを使用した治療(冠動脈ステント留置術等)を行うものです。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) 手術・処置等2なし 63 5.37 5.72 0.00 1.32
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし 22 4.73 6.31 0.00 4.55
150010xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 18 3.67 5.50 0.00 3.72
 小児科で最も多いDPCは、急性気管支炎、急性細気管支炎によるもので2歳以下の患者さんが多く8割超となっています。
 次に多いDPCは、喘息発作重積のため入院治療が必要な場合が多く、薬物治療が行われます。
 3番目に多いDPCは、平成27年度は12月~3月の症例が多く7割超となっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 27 18.67 17.41 3.70 67.63
060210xx99000x ヘルニア記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置1なし 手術・処置2なし 定義副傷病なし 25 9.04 9.17 0.00 75.04
060040xx99x60x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 定義副傷病なし 24 3.13 4.51 0.00 72.50
 外科で最も多いDPCは、結腸の悪性新生物の手術療法を行う症例です。腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術が18症例、結腸切除術が9症例となっています。
 次に多いDPCは、腸閉塞(イレウス)の保存的治療を行っている症例です。平成27年度はすべて救急入院となっており、癒着性イレウスが21症例と最も多いです。
 3番目に多いDPCは、直腸の悪性新生物の化学療法を行う症例です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 39 49.08 28.70 7.69 84.13
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 36 2.17 5.70 0.00 64.42
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含み。)腱縫合術等 22 8.59 11.98 0.00 32.68
 整形外科で最も多いDPCは、主に大腿骨頚部骨折が16症例、大腿骨転子部骨折が21症例となっています。平均在院日数が全国と比較し長いのは、当院では回復期リハビリテーション病棟を併設し、在宅復帰に向けたリハビリテーションを転院することなく一連で行っている症例が28症例あるためです。
 次に多いDPCは、主に橈骨遠位端骨折で29症例となっています。平成27年度は60代、70代が多い傾向にありました。1泊2日入院の症例が多いです。
 3番目に多いDPCは、半月板損傷が11症例と最も多く、次いで十字靱帯損傷が10症例でした。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - - - -
160200xx9700xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。)その他の手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - - - -
140210xx01xxxx 先天性耳瘻孔、副耳 先天性耳瘻管摘出術 - - - - -
 形成外科で最も多いDPCは、鼻骨骨折によるもので、整復固定術または観血的手術を行っています。
 次に多いDPCは、頬骨骨折によるものです。
 同じく次に多いDPCは、先天性耳瘻孔によるものです。
  ※「-」は10症例未満です。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり 定義副傷病なし 46 24.65 18.08 13.04 77.96
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 28 52.82 19.32 32.14 72.18
010069xx99000x 脳卒中の続発症 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 25 13.04 10.85 0.00 59.24
 脳神経外科で最も多いDPCは、脳梗塞による後遺症を軽減するため脳保護療法を行った症例です。状態に応じて、併設する回復期リハビリテーション病棟へ転棟します。転棟をしない症例の平均在院日数は17.53日となっています。
 次に多いDPCは、外傷を伴わない脳出血で高血圧・動脈硬化や糖尿病などの血管が薄くなり破裂しやすくなる疾患に伴って発生する傾向にあります。この症例も状態に応じて、併設する回復期リハビリテーション病棟へ転棟します。
 3番目に多いDPCは、主に脳卒中後遺症によって生じた痙縮に対して「ボツリヌス療法」を施すことによって筋肉の緊張を和らげ、リハビリテーションを併用することで日常生活動作能力の向上を図る治療法によるものです。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120140xxxxxxxx 流産 21 2.14 2.34 0.00 34.14
120180xx99xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 手術なし 9 2.00 6.56 100.00 31.78
12170xx99x0xx 早産、切迫早産 手術なし 手術・処置等なし 8 8.13 20.87 25.00 31.63
 平成27年度分娩件数は、72症例です。これはDPC対象外ですので計上されていません。
 そのため、産婦人科で最も多いDPCは、流産となっています。自然流産の確率は15%前後とされ、決して珍しいものではありません。妊娠12週未満の初期流産が多いです。
 次に多いDPCは、主に前期破水によるものです。より高次な医療機関へ転院となります。
 3番目に多いDPCは、主に切迫早産です。切迫早産とは、早産の一歩手前の状態です。前期破水同様、より高次な医療機関へ転院となる場合があります。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160250xx97xxxx 眼損傷 その他の手術あり - - - - -
160250xx01xxxx 眼損傷 硝子体切除術等 - - - - -
 眼科では、「白内障・水晶体の疾患」による水晶体再建術を施行する症例(DPC対象外)を平成27年度は、341症例実施しています。当院では、2泊3日入院で治療を行っています。
 その他には、眼損傷による手術を伴う症例があります。
  ※「-」は10症例未満です。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置2なし 定義副傷病なし 60 34.60 21.69 20.00 82.98
010060x099030x 脳梗塞(JCS10未満)手術なし 手術・処置1なし 手術・処置等23あり 定義副傷病なし 42 41.31 18.08 4.76 72.52
010060x99xxxx 脳梗塞(JCS10未満)手術なし 手術・処置1なし 手術・処置等23あり 定義副傷病あり 27 47.67 34.68 37.04 78.44
 神経内科で最も多い疾患は脳梗塞で、最も多いDPCコード分類は誤嚥性肺炎でした。誤嚥性肺炎は、高齢者が多く、抗生物質投与での保存的加療のほか、多くの患者さんがリハビリテーションを行っています。
 続いて多いDPCコード分類は、早期受診され脳保護療法を施行した脳梗塞です。副傷病名には、誤嚥性肺炎や肺炎・急性気管支炎などがあります。脳梗塞については、誤嚥性肺炎などの合併症の治療や基礎疾患のコントロール、リハビリテーションなどを行うため在院日数が長くなる傾向があります。
状態に応じて、併設する回復期リハビリテーション病棟へ転棟する場合があり、転棟せずに退院した場合の平均在院日数は、17.33日(副傷病がない場合)、36.61日(副傷病がある場合)となっており、全国的な平均在院日数とあまり差がありません。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 急性膿皮症 手術なし 12 11.83 11.97 0.00 77.42
080080xxxxxxxx 痒疹、蕁麻疹 - - - - -
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1なし - - - - -
 皮膚科で最も多いDPCは、蜂巣炎による疾患です。蜂巣炎とは、皮膚とそのすぐ下の組織に生じる症状が広がりやすい細菌感染症です。抗生物質による治療が行われます。
 次に多いDPCは、蕁麻疹によるものです。蕁麻疹と一言にいっても非常に多彩です。よく受診される蕁麻疹は、最も多いのが特発性蕁麻疹(急性蕁麻疹、慢性蕁麻疹(発症後1ケ月以上続くもの)です。その他に食物、薬剤、環境物質、感染性微生物による蕁麻疹などがあります。
 その他の疾患として、食物アレルギーによるアナフィラキシーショック症例などがあります。
  ※「-」は10症例未満です。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置1なし 手術・処置2なし 34 6.24 7.59 0.00 73.97
110310xx99xxxx 腎臓または尿路の感染症 手術なし 31 8.90 12.60 0.00 63.35
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 11 17.73 13.64 18.18 77.09
 泌尿器科では、前立腺生検法(組織を採取し、がん細胞を調べる検査)による前立腺がんの検査入院を平成27年度は35症例実施していますが、こちらはDPC対象外のため計上されておりません。
 最も多いDPCは、経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行する症例です。腫瘍を切除し、組織の検査を行い、腫瘍が良性なのか悪性なのか、悪性であればどの程度なのか(悪性度・浸潤度)を調べます。
 次に多いDPCは、主に急性腎盂腎炎(「腎臓」に「炎症」が起こる「尿路感染症」)です。平成27年度の実績では、男性は40歳以上、女性は10代や30代の方も発症しています。
 3番目に多いDPCは、末期腎不全による症例です。透析療法などを入院で行う症例です。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 14 14 6 3 29 1 1 7
大腸癌 14 31 52 26 25 34 1 6,7
乳癌 13 9 1 1 4 13 1 6,7
肺癌 1 2 2 6 16 4 1 6,7
肝癌 1 1 1 7 8 13 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
 5大癌と呼ばれる胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌の患者さんの人数を初発のUICC病期分類別、及び再発に分けて集計しています。 ◆UICC分類◆国際対がん連合(UICC)によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。

 当院は消化器科・外科で胃癌・大腸癌、外科で乳癌の患者さんを多く診療しています。特に胃癌・乳癌では早期であるⅠ期の患者さんの割合が高くなっています。これは、癌ができるだけ早期のうちに内視鏡的治療など、患者さんの体への負担が少ない治療を行っているからです。また大腸癌ではⅡ期やⅢ期の患者さんも多く、手術や化学療法など患者さんの状態に合わせた幅広い治療を実施しています。なお、UICC病期分類が不明に分類されている症例は、治療前の検査入院に該当する患者さんが多くなっております。要因としては、当該入院中の情報だけでは病期分類ができていないことなどが理由として挙げられます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 14 10.29 65.07
重症度 1 34 19.62 82.24
重症度 2 38 18.00 79.97
重症度 3 10 24.20 82.90
重症度 4 1 19.00 83.00
重症度 5 - - -
不明 - - -
 市中肺炎とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。成人の市中肺炎の患者さんの人数を重症度別に集計しました。重症度分類には、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による重症度分類システムを用いています。症例数は重要度1及び重症度2が多く、全体の7割以上を占めています。
在院日数は、重症度や年齢の影響のみならず、入院時併存症がある場合に長くなる傾向にあります。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 2 7.50 58.50 0.00
その他 1 12.00 51.00 0.00
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 1 79.00 42.00 0.00
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 170 42.92 76.23 20.97
その他 16 26.94 75.06 1.08
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 1 2.00 71.00 0.00
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの - - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 1 4.00 42.00 0.00
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 - - - - -
 当院で脳梗塞のICD10別患者数で最も多い「I63$」は、脳の血管が詰まることで脳の一部が損傷する病気です。脳梗塞が起こると右半身か左半身いずれかに運動麻痺、言語障害、意識障害などが起こります。後遺症が残ることがあります。多くの場合、救急搬送となり、処置が行われます。その後状態に応じて、リハビリテーションを行います。当院でリハビリテーションを希望された方には、併設の回復期リハビリテーション病棟にてリハビリテーションを受け、在宅および居宅系施設等へ退院しております。
 また、脳梗塞の前触れと言われる一過性脳虚血発作は、脳への血液の流れが一時的に悪くなり、運動麻痺、感覚障害などが現れます。在院日数も比較的短く、再発予防のための治療が必要となります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
消化器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(直径2センチメートル未満) 108 1.09 2.31 0.93 65.42
K721-21 内視鏡的大腸ポリープ(直径2センチメートル未満) 106 1.48 2.61 0.94 66.96
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 40 3.80 11.60 5.00 74.43
 消化器科で最も多い手術と次いで多い手術は、ポリープ呼ばれる「いぼ」を内視鏡でよく観察し、輪状のワイヤーをかけ、徐々にワイヤーをしめ、弱い電流(人体に影響ない高周波電流)を流し切除するものです。
 3番目に多い手術は、胆汁の流れが悪い部分にチューブを設置し、流れを改善するための手術です。
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 55 3.27 3.49 3.64 73.15
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 13 0.08 12.46 0.00 74.46
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 11 6.45 10.09 0.00 79.27
 循環器科で最も多い手術と次いで多い手術は、血管の狭窄や閉塞を改善するために、手首、肘、ももの付け根からカテーテルを挿入して、狭窄部位や閉塞部位を通過させ、ステントを留置する手術です。
 3番目に多い手術は、心臓が何らかの原因で規則正しく拍動しなくなった場合にそれを補助する機器である「ペースメーカー」を植え込む手術です。ペースメーカーは、電池で作動しているので、数年から10年で電離が消耗し交換が必要になります。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 29 1.10 3.34 0.00 59.48
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 27 1.26 6.63 0.00 57.44
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 20 5.45 12.65 0.00 67.05
 外科で最も多い手術は、本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が「鼠径(そけい)」と呼ばれる、太ももの付け根と筋膜の間から皮膚の下に出てきた部分を切除し、再び出ないように塞ぐ手術です。
 次いで多い手術、3番目に多い手術は、お腹の中に腹腔鏡という細長いカメラを入れ、テレビモニターで様子を見ながら行う手術です。腹腔鏡下胆嚢摘出術では、細長い鉗子という器具を使用して胆嚢を取り出す手術を行います。
腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術では、鉗子類、電気メス等を使用して切除を行います。開腹で行う手術に比べ、傷が小さく痛みも軽いため早期退院が可能で早期の社会復帰が可能となります。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0462 骨折観血的手術(下腿) 53 1.55 7.96 3.77 63.23
K0461 骨折観血的手術(上腿) 47 5.57 42.30 4.26 83.96
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(下腿) 37 0.27 2.05 0.00 55.97
 整形外科で最も多い手術と次いで多い手術は、骨折によって離れてしまった骨を可能な限り骨折する前の状態に戻してから、髄内釘やプレート等を使って骨を固定する方法です。
 3番目に多い手術は、骨折観血的手術等で使用した髄内釘やプレートを取り除く手術です。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 18 1.00 7.78 0.00 81.33
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) - - - - -
 脳神経外科で最も多い手術は、軽い外傷などにより数週間から数ヶ月後に硬膜とくも膜の間にできた血腫を穿頭して、洗浄し排出する手術です。
 次に多い症例は、脳動脈留(脳の動脈分岐部にできたコブ)に対して、破裂を防ぐために瘤内の血液を遮断するために錆びない金属のクリップをかける手術です。
 3番目に多い症例は頭蓋骨の内部に発生した腫瘍を摘出する手術です。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9091 流産手術(妊娠11週までのもの) 17 0.06 0.94 0.00 33.59
K909-2 子宮内容除去術(不全流産) - - - - -
K911 会陰(膣壁)裂創縫合術(分娩時)(膣円蓋に及ぶもの) - - - - -
 産婦人科で最も多い手術は、不全流産や稽留流産などによって絨毛組織が完全に排出されていない状態の場合に完全に取り除くための手術です。排卵再開を促し、次の妊娠に備えることがこの手術の目的です。
 その他には、胎児・胎児付属物・凝血塊などの子宮内容を除去、掻爬する手術や分娩時に会陰および腟壁にできる裂傷を縫合する手術などが行われています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 337 1.00 1.00 0.00 74.77
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない場合) - - - - -
K246 角膜・強膜縫合術 - - - - -
 眼科で最も多い手術と次いで多い手術は、白内障(水晶体の混濁による視力の低下)の場合に行われる混濁した水晶体を除去する手術です。代わりに眼内レンズを挿入する手術が最も多く、合併症のため一時的に眼内レンズを挿入しない場合や強度近視のため眼内レンズを挿入しなくても術後の屈折が正視に近くなる場合もあります。
 その他には角膜や強膜の裂傷時・手術後創解離時などに創を縫合する手術などが行われています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 34 1.21 4.03 0.00 73.97
K610-3 内シャント設置術 24 5.04 12.00 8.33 70.21
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 11 0.82 1.18 0.00 63.45
 泌尿器科で最も多い手術は、尿道から内視鏡を挿入して、膀胱の中の腫瘍を切除する手術です。切除組織の検査を行い、良性なのか悪性(がん)なのか詳しく調べる必要があります。
 次いで多い手術は、腎臓機能が低下して、血液透析が必要になった場合に行う手術です。
 3番目に多い手術は、内シャントに対して拡張や血栓除去を行うものです。シャント血管は、人工的に作成し、長期間使用するため血管内が細くなったり、詰まったりすることがあり、充分な血液流量を確保し、透析を行うために施術します。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 7 0.17
異なる 14 0.33
180010 敗血症 同一 2 0.05
異なる 12 0.29
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる 1 0.02
180040 手術・処置等の合併症 同一 31 0.74
異なる 5 0.12
 播種性血管内凝固(130100)、敗血症(180010)、真菌症(180035)、手術・処置等の合併症(180040)の患者数と発生率を集計しました。播種性血管内凝固(130100)は感染症などによって起こる、全身性の重症な病態です。敗血症(180010)は感染症によって起こる、全身性炎症反応の重症名な病態です。真菌症(180035)は真菌による感染症です。手術・処置等の合併症(180040)は、手術処置等の予後に一定割合発生してしまう病態で、術後感染症などが挙げられます。合併症はどのような手術でも一定の確率で発症します。入院契機は、入院の契機となった病名が「同一」か「異なる」かにより分けて集計しています。うち、発生率の高い手術・処置等の合併症(180040)は、透析シャント狭窄が6割を超え発症しており、入院契機も同一が8割以上となっている。
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